山口二郎氏のお話

 十勝のJA役員研修会がありました。そこで行われた北大の山口二郎氏の講演はおよそ次のようなお話でありました。

 小泉改革以来推し進められた自由主義的政策によって…
経済成長は果たしたが、富は一部の企業に集中し、大部分の市民は疲弊することとなった。そこで「生活第一」を目指して政権交代を果たした民主党であったが、財源の見通しがつかぬまま震災を迎えた。そこでは政官業コミュニティの隠蔽体質を露呈、適切な初動施策ができなかったことに失望した。またTPP交渉参加は、さらに市場を開放し規制緩和を目指すものであり、アメリカのような商品化された医療・金融サービスを持ち込み、富の偏在を促すものである。
 生活とは生産と消費の二つの柱に支えられている。物価が下がれば労働の対価としての賃金にも影響し決して生活水準を維持できるものではない。JAはさらなる情報開示を行い国民の誤解を解くとともに、消費者と連携し農産物の安定供給に勤めるべきである。
 
 以上です。総じて豊富な知識の下、理論だった内容でよく理解できました。ただ残念だったのは何の理由もなく消費税増税賛成を表明していたのには驚きました。これを聴いていた約400名のJA役職員が「増税はやむをえないこと」という考えを持たないでほしいと願うばかりです。