戦後70年

cannon2015-08-17

 お盆を過ぎたところだ。2月に亡くなった父の初盆であり、戦後70年の節目でもあるので、いつもとちょっと違った心持ちだ。
 父は戦争には行っていない。でも強制的に志願させられた、と言っていた。筆記試験と身体検査があって、身体検査の方で落ちたんだそうだ。もう終戦間近の頃だったので、その時合格した人々も皆無事帰って来れたらしい。それでも玉音放送を聞いたときは、ほんとにがっかりしたと言っていた。昨年介護しながらそんな話も少ししたんだけど、まだまだいろいろ聞きたかったと今になって思う。


 8月14日に安倍首相が「戦後70年談話」を発表した。
 4つのキーワードが使われたか否かに注目が集まっていたようで、報道では間接的で不十分だとか、本人の言葉ではないとか、国内からの批判がかまびすしい。談話は全体を聞いて、首相の意をくみ取るべきだ。自分は次のように要約してみた。

 百年以上前から歴史を振り返り、大戦へ進んでいった過ちを認めた。内外に多くの犠牲者を出したことに痛惜の念を表した。これらの尊い犠牲の上に今の平和があると明言し、それが戦後の日本の原点だとした。憲法9条の条文を引用し、平和への意思、不戦の誓いを述べた。また、戦後復興に際し、各国国民の寛容の心によって日本が国際社会に復帰できたことに感謝の意を表したのは、今までにないことだろう。そして、未来に向かってつぎの4つの決意表明を行う。

1.いかなる紛争も平和的外交的に解決する、という原則を守る。核兵器の不拡散、廃絶を目指す。
2.21世紀が女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードする。
3.いかなる国の恣意にも左右されない、自由で、公正で、開かれた国際経済システムを発展させ、途上国支援を強化し、世界の更なる繁栄を牽引する。
4.自由、民主主義、人権といった基本的価値を堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて、「積極的平和主義」の旗のもと、世界の平和と繁栄に貢献していく。

 こうしてみると、反省だの謝罪だのって小さなことのように思える。世界に向って、大戦の罪滅ぼし、あるいは恩返し。それを国際公約として約束した、という風にとれるんだけどいかがだろう。ぐっと荷が重くなったんじゃなかろうか。