ギガファーム

cannon2017-03-11


 今年1月末、突然地元の新聞に、ここ駒畠に国内最大規模の牧場が計画されているという記事が載った。町長と並んだ記者会見の写真まで載っていた。私ら地元の人々には何も知らされていない、寝耳に水だった。
 当該企業のホームページにその記事が引用されているので紹介する。→こちら
 それから1カ月半、昨日ようやく地元で説明会が開かれた。


 飼養頭数4300頭、従業員100余名、バイオプラントを使って糞尿を処理し、肥料として「消化液」を生産する。周辺農家に対し、その消化液を使ってもらう一方、飼料となるデントコーンを栽培してほしい、という話だった。
 それに対し、様々な意見や質問がなされた。


・想像ができない(ウチの農協管内全部合わせても2000頭ちょっとだよ)
・地元の説明会が遅すぎた。
・突然の話で、まったく喜べるものではない、駒畠で反対が大勢を占めたら建設をあきらめてくれるのか
・臭いや騒音が心配
・外部から麦かんを入れることによる病害の蔓延が心配
・示されたグラフやデータが曖昧で信用できない。試験方法を示さないとだめだ。
・既存の加工用スィートコーンと競合する。交雑が心配だ。
・デントコーンの作付けメリットが薄い。収入保障が必要。
・必要な大量の水の確保はどうする? 井戸を掘るというがきれいな水が出る場所じゃないよ。
・大雨の時は山から大量の雨水が敷地へ流れ込むことが予想されるが排水対策は?
・従業員はどこに住む? 工場長ぐらいは駒畠に住む必要があるのではないか
・従業員の住宅を駒畠に建設する計画はあるか。
・直売所などの計画はないのか。
・外国人が4-3割を占めるというが日本語の教育はできているのか。
・そもそもなぜ駒畠なのか。

自分も
・4000頭も乳牛を生体輸入で賄うというのは一般酪農家の経営を圧迫する。
・放牧地も牧草地もないのはどうしてか。…などと発言した。



 これらの意見、質問に対し、会社側はひとつひとつ丁寧に答えてくれたように思うが、でもみなが納得できるところまではいかなかったように思う。また、はっきり回答できないところもこれから対応しなければならないこともあった。
 だいたい2時間ほどの話し合いであったが、割り切れない思いは募るばかりであった。幕別町は住民が増えるからよしとしているだけだし、農協にはまだ正式には何の依頼もないらしい。だれもこの流れを止める者はいないようだ。町は町民のために、農協は組合員のためにもうちょっと真剣になってくれてもいいと思うのだが。


 …また再び話し合いの場が必要だと思う。
・牛乳が余って生産調整がかかった時、会社はどう対処するのか。一律調整では一般酪農家にしわ寄せがいく。
口蹄疫BSE。考えたくはないけど、4000頭全頭殺処分という可能性も。


 会社は果たして、こういう私たちの不安をどこまで解消する努力をしてくれるのだろうかね。こんなに焦って頭数増やすことないよ。農政によってどうにでもなっちゃうのに。100頭ぐらいから始めたら?、とアドバイスしたいぐらいだ。