TPP交渉のゆくえ

 駒畠では昨日の新聞が今日届きます。
その昨日付の新聞には、初めてのTPP交渉を終えた交渉官の話が載っていました。
TPPの課題のうち各国の合意ができていない「市場アクセス」「知的財産」などの分野ではまだ交渉の余地がある。
これまでの交渉内容を記したテキストが手に入ったので、解読分析して今後の戦略を検討する、というようなことでした。

 日本以外の11か国で合意ができてもはや日本はどうすることもできない決定事項にはどんなものが含まれているのでしょう。
守るべき国益は、農産物の関税だけじゃないと思うんだけど、そればかりに気を取られて見落としてる重大事項がありはしないか、などと心配になる、そんな記事でしたね。


 ところが、もっともっと心配になる記事が明日の朝届く今日付けの新聞に載っています。
日本が参加した7/23以前から会合に参加した方のお話です。
日本の獲得「ゼロ」 TPP利害関係者会合出席 内田聖子氏に聞く
少し引用します。 

このタイミングで入るのは常軌を逸している。これまでの交渉で決まったものは変えられない。推進派さえ「勝ち取れるものがあるのか」と言う。

 農産物重要5品目について国際的にはあまり知られていないというのは交渉官の話と食い違っています。
極端な秘密主義で厳格な契約書まで交わされたそうです。今後も交渉内容は明かされず、国民は最後まですべてを交渉団にゆだねることになるんです。

自由化が世界から貧困をなくしていない。格差が徹底的に広がった。一部はもうけ、多くの人が幸せになっていない。

 私が以前言った通りです。
安倍首相が言う「日本の国益」とは大企業の利益のことと取れるんです。企業が儲かれば投資に使われて給料が上がってデフレから脱却できる。っていうのが彼の考えなのですから。
そうはなりません。今以上に海外の安い製品が入ってくれば、デフレは進みます。雇用がなくなります。海外で作った方が安上がりだから。
 ところがそもそも日本の大企業でさえもメリットのないTPPであることが少しずつわかってきたところのようです。
 

 日本の農業の改革は必要です。このままじゃダメかもしれません。
でもそれをTPPの力を借りて実現しようとするのは間違いです。日本がダメになってしまいます。